妊婦さん及び授乳婦さんへの新型コロナウイルスワクチン接種について

【妊婦さんへの新型コロナウイルスワクチン接種について】

現時点で、妊婦さんへの新型コロナウイルスワクチン接種の有効性・安全性に関しては十分な臨床データはありません。つまり、悪影響があることを示すデータはないけれど、中・長期予後も含めた安全性が確認されたわけではない、という状況です。

当院産婦人科としては日本産婦人科感染症学会・日本産科婦人科学会の提言に従い、妊娠13週以降の妊婦さんへの接種を禁止は致しません。

以下の現時点での知見からワクチン接種のメリットデメリットを考慮し、ワクチンを接種するかを各自判断してください。疑問点があれば担当医にご質問ください。

 

・治験では、短期的な反応で致命的なものの報告はない。

・重症の副作用症状としてアナフィラキシー反応がある。一般の人を対象としたデータでは、アナフィラキシーを含むアレルギー反応の頻度はファイザー製ワクチンで0.0011%とされている。妊婦さんにアナフィラキシーが起きた場合、胎児も低酸素状態にさらされるリスクがあり、その程度や期間によって胎児の予後に影響する可能性が考えられる。

・中~長期的な副反応のデータはなく、胎児及び出生児への安全性は確立していない。

・新型コロナウイルスに妊婦さんが感染した場合、非妊婦と比べ重症化リスクが上昇するという報告はないが、一般に妊娠後期は肺炎が重症化しやすい傾向がある。

・分娩の時期に新型コロナウイルス感染症が判明した場合、分娩方法が帝王切開となる可能性、出生後に母児の隔離を行わなくてはならない可能性がある。

 

*以下のHPにも情報がありますので、参考になさってください。

www.jsog.or.jp/news/pdf/20210127_COVID19.pdf

日本産科婦人科学会「COVID-19ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する方へ」

 

www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00222.html#019

厚生労働省 新型コロナワクチンについてのQ&A

Q5-3 妊娠中や授乳中の人は、ワクチンを受けることができますか。

 

【授乳婦さんへの新型コロナウイルスワクチン接種について】

現時点で、授乳中の女性への新型コロナウイルスワクチンの安全性に関するデータはありませんが、特段のリスクが懸念されているわけではなく、ワクチン接種は問題ないと考えられます。また、ワクチンを接種した際に、授乳を中止する必要はないと考えられます。

 

 

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